辣油の雑多ブログ

勉強について何やかんや書きます。ドラえもんについてもたまに。

無機化学における実験室的製法と工業的製法について

こんにちは、辣油です。

今回は、無機化学における実験室的製法と工業的製法について話させてもらいます。

 

皆さん、実験室的製法と工業的製法という言葉を聞いたことがあるでしょうか。高校化学を勉強している人ならおそらくこれらについて勉強したことがあるかと思います(化学基礎ではやらなかったと思います)。

私が初めてこれらに出会った時は全く理解が出来ずにいたのですが、どうして実験室的製法と工業的製法の二つが存在するのか、どんな違いがあるのか、など意味が分かって初めてその面白さに気づくことが出来ました。

 

●実験室的製法と工業的製法の違い

では、これらの違いとは何なのか。アンモニアNH₃を例にとってみます。

 

・実験室的製法の場合

塩化アンモニウムNH₄Clと水酸化カルシウムCa(OH)₂の固体を加熱。

式) 2NH₄Cl + Ca(OH)₂ → CaCl₂ + 2H₂O + 2NH₃

・工業的製法の場合

ハーバー・ボッシュ法といい、四酸化三鉄Fe₃O₄を触媒として窒素と水素から直接得る。

式) N₂ +3H₂→ 2NH₃ (触媒:Fe₃O₄)

 

ここでそれぞれの式を見比べてもらいたいのです。

このとき、最終的に欲しいのはNH₃です。

実験室的製法ではCaCl₂やH₂Oと、NH₃以外の余分な化合物が出来てしまうのに対し、工業的製法では余分な化合物が生成されることなくNH₃のみを得ることが出来ます。

これが工業的製法の凄さです。凄い…ですよね?!わかってください!

しかし、だからといって実験室的製法が凄くない製法という訳ではありませんよ。

NH₃を作り出すにはハーバー・ボッシュ法という方法を用いるのですが、この方法で合成するには高温・高圧の状態を用意しなければなりません。なぜなら、ハーバー・ボッシュ法ではルシャトリエの原理(他ブログ様の記事を置いておきます)を応用するため、高圧で反応を進める必要があるのと、なおかつ反応効率を上げるために高温状態を保つ必要があるからです。難しいね!!ここら辺に関しては私も知識が浅いので詳しく掘り下げてはお話することが出来ません…。ごめんなさい!

話に戻ります。この方法、無駄はないけど面倒臭いですよね。そもそもただの学校の実験室や個人の実験室にそんな装置がある訳ないし。

そんな時に実験室的製法が便利なんです。少し無駄は出てしまうけれど、簡単に物質が生成出来る。これが実験室的製法の凄さです。めっちゃ凄いですよね?!(圧)

 

●まとめ

まとめると、

 

実験室的製法は、目的の化合物の他に余分な化合物を生成してしまう代わりに簡単に合成を行うことが出来る。

工業的製法は、大きな手間がかかってしまう代わりに余分な化合物を生成せずに目的の化合物を得ることが出来る。

 

どうでしょうか、魅力が伝わりましたでしょうか!

化学の魅力はこれだけに留まりません。これからも個人的に感じた化学の魅力、化学以外でも色々な科目について書いていこうかなと思います。

 

では、さようなら。